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☆★☆  堺みらい通信 2021年10月号  ☆★☆

━━━━━━━━━━━━━━━━ 隔月(偶数月)発行━━☆●

いつもお世話になっております、堺みらい税理士事務所です。
今回の堺みらい通信では、「電子取引のデータ保存」について詳しくお伝えします。

電子取引と言えば例えばカード決済などを連想しますが、今回お伝えするものはもっと範囲が広く、ほぼ全ての事業者に関係する内容です。
来年からはこのデータ保存が正しく行われないと税務上のリスクも発生します。

以下ご一読いただき、データ保存への適切な対応をお願い申し上げます。

┃も┃く┃じ┃
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【1】経理資料保存のあらまし

お金の動きに関する書類(例えば請求書や領収書など)(以下、経理資料と呼びます)は少なくとも7年間、「紙」で保存することが大原則です。

その一方で電子帳簿保存法(電帳法)という法律があり、一定の要件の下で経理資料をデータで保存することも認められていました。
この電帳法が大きく改定され、2022年1月から施行されます。

今回、特に注意しなければならないのが「電子取引」です。
電子取引の代表例として、見積書・請求書・領収書等をデータ(PDFやエクセル)で発行してメール添付で送信・受信する行為が挙げられます。
つまりネット通販やカード決済だけではなく、あらゆる業種・あらゆる取引に「電子取引」の可能性があるのです。

これまでは電子取引も、そのデータを紙に印刷して保存することが原則でした。
それが一転して、来年1月からはそのやり方が税務署に認められないことになります。

来年からは一定のルールを守りながら、データのまま保存しなければなりません。
それはいったいどのようなルールでしょうか。

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【2】データ保存のルール

税務署に電子取引のデータ保存を認めてもらうためには、以下AB両方の要件を満たす必要があります。

A)真実性の要件
社内で「訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」を定めておくこと。

B)可視性の要件
電子取引のデータを1取引年月日、2取引金額、3取引先名で検索できるようにしておくこと。

具体的には以下のご対応をお願いします。

A)真実性の要件については・・・

国税庁公式サイトの以下URLでシンプルな事務処理規程のひな型が配布されています。
ダウンロードして適宜改訂の上、保管していただくと良いでしょう。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm

B)可視性の要件については・・・

例えば、メールで受領した請求書あるいは送信した請求書について、パソコン上でそれぞれフォルダを作成して、そのフォルダに収納しましょう。

その際、ファイル名に上記の検索3要件を含めればOKです。
例えば「20220131堺みらい建設2,200,000円」など

お使いのメールソフトの検索機能にもよりますが、メール添付のままメールソフト内に保存するだけでは可視性の要件を満たさない恐れがありますのでご注意下さい。

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【3】データ保存について補足

以上のご案内はいずれもメールやクラウド、その他の電子的手段でやり取りされたデータが対象です。
もともと紙で発行された経理資料については今まで通り、紙で保存して差し支えありませんのでご安心下さい。

ところでFAXでやり取りされた経理資料はどうなるでしょうか。
この取り扱いは、以下2パターンに分かれます。

1)一般的なFAX機器で経理資料が紙に印字された場合
→もともと紙で受領したものとして、そのまま紙で保存すればOK。

2)PCFAX等で紙に印字せずデータのまま受領した場合
→電子取引として扱い、ルールに従ったデータ保存が必要。

このように、FAXでもデータ受信の場合は、真実性の要件や可視性の要件をクリアする必要がありますのでご注意下さい。

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【4】今月と来月の税金&給料計算

10月と11月は、以下の点にご注意下さい。

○税金
・個人住民税(窓口納付分)の第3期分納付 → 10月末日期限
・所得税の予定納税(第2期分)の納付 → 11月末日期限
・個人事業税(第2期分)の納付 → 11月末日期限
○給料計算
・労働保険料の第2期分納付 → 10月末日期限
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◆あとがき

今回の堺みらい通信では電子取引のデータ保存についてお伝えしました。

コロナウィルス問題を大きな契機として、社会はデジタル化・ペーパーレスへの流れを加速しつつあります。
電子帳簿保存法の改訂もその一環と言えるでしょう。

今後ますます政府・国税庁は税務手続きの電子化を推し進めることが予想されますが、国は電子化を単なる行政コスト削減だけに用いるのではなく、事業者・納税者にもメリットがある仕組みとして構築してほしいものです。

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