ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングは、個人投資家が借り手のプロフィールや融資のリスクなどを検討し、直接資金を貸し付ける方法です。

近年、お金を借りたい事業者(借り手)と投資をしたい個人(投資家)をマッチングさせるプラットフォームサービスが増えてきました。

中小企業や個人事業主など金融機関から融資を受けにくい層にとって、ソーシャルレンディングは新たな資金調達手段として注目されています。

資金調達の方法としては近年クラウドファンディングが人気ですが、クラウドファンディングは寄付・支援の側面が強いのに対して、ソーシャルレンディングは融資・投資の側面が強く、貸付型(融資型)のクラウドファンディングとも呼ばれています。

国内の有名プラットフォーム

代表的なソーシャルレンディングのプラットフォームとしては以下のようなものが挙げられます。

1、クラウドバンク

2013年からサービスを開始しており、国内のソーシャルレンディングでは最古参の一社です。

これまで(2023年3月時点)の元本回収率は100%で、信頼度も高いサービスです。

2、クラウドクレジット

伊藤忠商事が出資、主に国外事業者へ投資しており大きな成長が期待されている企業です。

3、Funds(ファンズ)

みずほ銀行と提携、投資先を上場企業を中心に絞った低リスクの運用が特徴です。

上記以外にも、ソーシャルレンディング市場には銀行や証券、保険会社などの大手金融機関も参入しています。

経営者が心がけること

1、資産運用方法として

低金利下において少しでも有利な資産運用を探すとき、ソーシャルレンディングは運用先の一つに挙がります。

但し新しいタイプのマーケットで安全度は他の運用方法に劣りますので、投資する場合は慎重に、かつ少額で始めるべきでしょう。

ソーシャルレンディングの主な問題点としては以下のものがあります。

①元本割れ

ソーシャルレンディングは本来、投資を回収することでリターンを得ることを目的としますが、貸倒れにより元本が棄損するリスクもあります。

クラウドクレジットでは2021年、カメルーンの中小企業を支援するファンドを販売しましたが、元本の棄損率が9割となるとの報道もあり、最終的に多額のデフォルトが発生しています。

②不祥事

かつて国内最大手だったmaneo(マネオ)では、うその説明で出資を募ったとして2019年に顧客から集団訴訟が起こされ、金融庁から行政処分が下されています。

2、資金調達方法として

近年、従来型の融資以外にも多様な資金調達手段が現れ、ソーシャルレンディングも期待を集めていますが現状ではまだまだ小さなマーケットです。

プラットフォームに登録して資金を集めるためにはそれなりの特徴・収益性・ネームバリューが必要となりますので、過度な期待は禁物でしょう。